アワの技術、サヌキの技術

今日草刈りをしながら雑草の中に埋もれるように育っているキャベツを見ていて、浮かんだ言葉「アワの技術」、「サヌキの技術」。それは技能と技術と言い換えることもできるかもしれない。

草むらキャベツ収穫
このキャベツは苗づくりのトラブルを解決した結果、4月下旬に大量に余り苗ができてしまい、やむなく空いている畑の端を耕耘して植えたもの。植えている時から、しっかりした根張りの大苗なのでいいキャベツになるだろうと思っていた。そして5月に除草に入った時に、ここのキャベツに関しては「草取りを控えめにした方が良いよ」と一緒に作業している人たちに伝えた。なぜそう思ったのか。それはキャベツと雑草との葉色だったり、畑全体から受ける印象がそう思わせた。今回1回、除草をすれば、ここのキャベツは雑草があっても平気になるし、むしろ雑草があった方が、虫喰いに遭いにくいだろう。そう見えたのだ。感性(アワ)で判断したということ。

たぶん後付けで理屈をつけるならこうだ。空き地状態になっている雑草畑を耕耘してすぐにキャベツを定植したから、C/Nバラバラの有象無象の有機物が鋤き込まれている。その刺激によって、その場所場所の状況に応じて脈絡なく雑草が発生している。キャベツもまた雑草の刺激を受けながら生育しているが、根傷みしているというよりは、鋤き込んだ雑草の分解をこなしながら生育していた。その状況では雑草とキャベツの生態系での役割は等価。ここで除草することによってキャベツの生育は良くなるかもしれないが、除草を徹底してしまうとキャベツ単独で鋤き込まれた有機物をこなさなきゃならない。そうすると負担が大きすぎるか、養分供給過剰になるから害虫が好む成分がキャベツ内に溜まって虫害が出る。


I1(1)Eキャベツ初夏取り収穫
一方のこの畑。こちらは計画通りボカシ溝施肥40日前や土ぼかし(テネモス堆肥)表面施用で栽培したもの。

今年はコナガが大発生し、出来は良くない。しかしアオムシとヨトウの被害はさほどではないので、キャベツはいつも通りの健全さがあり、天敵たちも有効に働いているようだ。実際、外観はいまいち(虫喰い跡多)だが、食べたら美味しい。コナガ大発生の原因は年次的なものだろうけれど、施肥量をかなり低レベルにして(平年の1/4)生育速度が遅くなり、加えて低温で初期に伸びが遅かったのが被害拡大の原因だろう。いつも通りの施肥レベルで栽培していたら、もう少し外観のきれいなキャベツが早く収穫できたと推察される。

こっちの推察は、過去の積み上げから導かれた技術と今年の事情の観察結果からの当然の帰結。ある意味想定内の話。人に伝えられる技術としてはこっちの栽培方法ってことになる。それでも完全なマニュアルではなく、その都度追肥や除草、かん水のタイミングは現場合わせをしなきゃならないけれど、枠組みを提示できるからサヌキの技術と言える。

アワとサヌキ。どっちも必要なことだと思うが、例えば後者で形になった部分・特定の方法だけに拘ってしまうと、本質を外す。その方法によって、自然の中で起こることの方にフォーカスしなきゃいけない。サヌキ(形)とは、その背景になっているアワの世界を効率よく知覚するためのツールなのだ。

ボカシ施肥量を極端に減らした結果、溝施肥に増殖するはずのトビムシやヒメミミズなどの土壌動物も例年より少なくなっていた。土壌窒素の増減にはほとんど影響はないレベルだけど、実はその土壌動物の反応を利用してキャベツが育つことを利用する技術だった。それは認識していた。キャベツ根系で増殖することも分かっていたが、初期の数の少なさがシビアに効いたということなのだろう。

「ヒメミミズが少ない」という観察が得られた時点で、感性を働かせ、土の中のイベントに思いをはせるべきだったのだろう。そもそもこの春の気象で土壌動物が少ないのでは・・・というのは感性が分かっていた。土の活性が低いなってことも。

サヌキの利点そして罠。そんな気づきがあった。

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