20周年企画に関するブレンストミング

昨日ちょっとした会議があり、わたわたの職場である自然農法センター農業試験場20周年記念行事について協議した。ホントは今年度が20周年なのだが、今年度いっぱいかけて記念誌を作る計画なので、それを配る機会でもある行事は来年行おうということになっている。行事として想定されているのは、記念講演会や自然農法セミナーや研究発表会や技術交流会のようなもの。農業試験場の行事であるから、呼びかけの対象者は農家、農業関係者、農学関係者、技術者、農政関係者など生産サイドにいる人になるだろう。そんな大枠を前提にしてどこにピントを合わせようかと話し合った。

こういう時は時間軸を長くとって流れを見るといい。

かつて3年間ほど県の農業研究機関と交流会を行ったことがある。試験場の圃場見学をしてもらって、お互いに研究発表をして、情報交換をしてみた。1年目はエライ人ばかり来たせいか各論で盛り上がることもなく、交流にはほど遠かった。2年目は県の担当者が良い人だったこともあり、話題提供は良かったが、お互いの立場の主張しあいになって、分かり合うって雰囲気はなかった。組織対組織という看板を背負ってぶつかる限界が見えた。3年目は広い会場を借りて、農家向けの環境保全型農業セミナーを県と共催で開くという形をとってみた。第三者(農家)から見たら、研究機関や技術者同士のやりとりはどのように映るのか。農家に対する情報提供をする側という同じ立場に我々も県も立ってもらうことで、組織の枠ではなく、環境保全型農業に対して協力して技術開発していこうという流れを見出したかった。これはそれなりに有意義で、発表者の人は実務をこなしている人であり、率直な意見交換ができた。聞く側として参加していた県のある試験場長さんからも、厳しい意見とともに激励とも言える発言があり、良い会合になったと思う。
しかし
その翌年がちょうど15周年だったために、次の企画は全く違ったものになった。消費者向け講演会ということで、独自に企画開催となった。身土不二や医食同源、地産地消をメインに打ち出し、食べることと人の健康には深いつながりがあることをお医者さんを呼んできて講演してもらい、その後試験場の研究内容をつないで、1つのストーリーをつくり、自然の働きを農に紡ぎ、食を生み出すまでの視点を俯瞰する内容の発表をした。パネルディスカッションを行い、医師、消費者、研究者が色々な角度から話を展開し、感動を呼んだ。レザンホールに700人を集められたのだから良い企画だったのだろう。

しかしこれで疲れてしまったためか、その後は地域密着のミニ講演会を独自にはやってきたが、大きなイベントは5年間やってこなかった。予算のこともあるけど、15周年が大変な準備だったけど盛り上がりが大きかったことが、良い意味でも悪い意味でも皆のトラウマになったようだった。またあれやるの?っと。

また自然農法センターを取り巻く流れも大きなイベントをさせないものを感じていた。15周年で分かったことは、自然農法の視点、土の視点は大筋はあってる。おとぎ話としては良い。後は肉付け、根拠、具体化であった。その後の5年間で、ようやく地道な研究が始まったと言ってもいいだろう。それまでの研究のようなものの多くは、言わば担当者の思い込みや経験や勘や独善で出来ていた。部分的でつながりがなく発展性が乏しかった。しかしおとぎ話としてストーリーをまとめたことで、パーツを貫く光の軸が見え始めたのだろう。5年間かけて、軸の周りをパーツが周りはじめた。その動きはとても地味なものだから、大きなイベントで大々的に出せるものはない。しかし軸のある研究というのは、真理(天)とも現場(地)ともつながっているから、1つのことが分かることは他の現象の確信を高め、現場を読み解くツールになり、回転はどんどん速くなることが分かった。これは我々だけでなく、時代の、地球の流れではないかとも思う。
我々は今目の前で課題になっていることを淡々とこなしながら、その技術の背景同士の位置関係をより広い視野で把握し、同時に現場の農業の中にも同じ流れを感じる人たちとつながっていく役割をもっているだろうと思う。

そんなわけだから、20周年記念行事といっても流れの中で果たすべき役割を果たす方向を考えたい。それは独自企画のセミナーや講演会ではないな。かといって研究内容を淡々と発表しても関心を呼ばないだろう。
時代は有機農業の推進を要請し、5年前に推進法ができた。しかし5年かけて分かったのは技術体系が必要だと言うことだった。有機農業の技術というのは現場の数だけある。旧来のような上意下達の普及技術というのはほとんどないだろう。現場から課題を取り出し、常に現場と結びながら技術構築・提案をし、同時に事例解析をしていく。ケースが増えることでその確度を高めていく、そんな新しいスタンスが必要ではないかと思う。もちろん我々も出来ていないが、試行錯誤がある。自らも耕しながら農家とともに歩んでいる技術がある。多くの協力を得ながらでないと進まないものなのだ。「みんなの参加で育てていく有機農業技術」そんなテーマが浮かんできた。我々は先生になるのではなく、情報提供者。その立場に関係者も巻き込んでいく。みんなの協力が得られるように、イベントを通してつながりが生まれる企画にしていきたい。

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わたわた(いしわたかおる)です。料理と野菜を育てることが大好きです。何気ない日常も全てこの地球の表現の1ページ。生命と進化の星、地球を表現すべく、日常の1つ1つに心を込めて「生きる」をやっていきます。

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