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ひみつのつ(土)

火水土(ひみつ)からこの世界がなるという三元素論による形而上学の続き。火が励起エネルギー、水が量子場、土が素粒子とする。素粒子は宇宙進化が一定の方向(自発的対称性の破れなど)をもって展開した結果として生じており、宇宙とは物質として進化することをもって成立し、存在すること自体が宇宙の意志(真理)と表現することができる。
Elementary_particle.png(図はwikipediaより)

素粒子はフェルミ粒子とゲージ粒子からなり、それぞれの法則に基づいて相互作用して物質を生成し、物質同士もまた相互作用して、より高次な物質のあり方をとるようになった。物質の運動には因果律があり、前の段階があるから今の段階があり、その変化がまた次の変化を生んでいく。真空はその空間のエネルギーが見かけ上ゼロになっている状態で、そこに物質があるだけで、空間にはひずみが生まれ、運動が起こることになる。空間が生まれた時に同時に生まれたルールによって、素粒子そして物質は生じたのだから、運動によって、すなわち因果によって変化しつづけるのがこの世界ということになる。何もないがもともとの世界であったとしても、ひとたび時空間が生じて以降、何もない時空間には「真空」が存在していることになり、その結果として物質が生じ、変化し続ける宇宙があるということなのだ。

物質が持つ因果律、それは時間を経て変化していくなかに今その状態があるということや、絶えず周囲との相互作用の中で、その物質の性質や振る舞いは特定されるということ。これが三元素でいう土のこと、土の要素(土素)とは物質の性質であり、それをもたらす因果律のことといえる。

物質の運動は時空間のなかで行われるから、量子場にどのような波を起こすかという観点でみると、物質の形や配置によって、波動で記載できる量子場のゆらぎの重なりや打ち消しのパターンが生じ、運動に方向性をもたらしていくことになる。三元素でいう水のこと、水の要素(水素)とは形や配置のことといえる。エントロピーが増大しつづけても、ちゃんと星が生まれ、生き物が生きていけるのは、形があるからと言ってもいい。氷の結晶が生長するとき、自由運動する水分子が結晶を成長させる位置に入るのは、ランダムのようでいて、結果として自発的にそこに結合する。そこに入ることが、少し未来の安定性からして都合が良いようならそこにつながっていく。分子も量子レベルでの情報交換によって振る舞いを選択していて、情報とは時空間における物質の配置や形が形成する量子場の形である。

実際に物質の運動で受け渡しされる様々なエネルギーがある。量子場からどんな量子を取り出すかとは、どんな方向に振動させるかということ。三元素でいう火のこと、火の要素(火素)とは振動の種類といえる。振動の種類が電磁場について働くエネルギーが電磁波で、励起され量子場を粒子として特定すると光子となる。光とは電磁場方向に振動している量子場が一定の定常状態をとっていることをいうし、ヒッグス場とは干渉しない振動なので光子自体には質量はともなわないということ。場の数は励起エネルギーの数だけあり、相互に影響し合う場はエネルギーが変換されて相互作用するということ。例えば光電効果もその1つ。

岡田茂吉の自然農法では、自然力が自然界にあり、宇宙を動かし、生物を育てているという。自然力というのは火素、水素、土素が結合したもので、農法としては土素の力を拠り所にして自然力を発揮させよと言っている。

火素=太陽、水素=月=水、土素=地球=土と単純に解釈してしまうと、地球生命は海で誕生し、生命誕生以前に土はなかったのだから、卵が先か鶏かという話になってしまう。宇宙スケールでいえば塵のような大きさの月がどうやって宇宙を動かしているの?って話になり、意味不明になる。
地球生態系に影響を与える存在としては、太陽・月・地球のバランスが釣り合って潮の満ち引きや季節を生んでいるのだから感覚的には分かりやすいが、万物の根本が三元素からなるというと、太陽系自体も銀河の片田舎の小さな村みたいなものだから、はて?どう解釈すべきとなるし、「土の偉力を発揮させよ」でいう土とは生態系や自然そのもの(火水土の融合したもの)のことなのか、その中の土素のことなのかが不明になる。土素にこだわってしまうと、じゃ、太陽は要らないの?とか、水はどうなの?とかになって、土とは何かをきちっと捉えることが必要と思う。

おそらく意味は二重に使われていて、土の偉力=自然=生態系の働きという意味が1つ。もう1つは土素という意味。そして土素とは因果律のこと。物質や生物が今ある状態になるまでの因果を生かし、次につなげよという意味である。今目の前に見えていることの裏で働き合っている関係性も時間軸を遡って立体的に捉え、物事の変化・流れのなかに理解し、その発展方向を見極めて事に当たれという意味である。極めて現実的で至極当然の考え方を述べているが、そこに人間の一方的な思惑を乗せるのではなく、まずは事象の因果を客観的に捉え、そのうえで人間の関与を見極めるということである。

だから農業技術についても、肥料でどうにかする、この堆肥をどうつかう、こんな風に耕耘してあーしてこーしてとやり方で何とかしようとするよりも前に、そこの土がどうやってできたのか、どんな耕作歴をもっているのか、そして今どういう状態なのか、さらに栽培しようとしている作物の性質をよくよく調べ、現場で観察して、今を理解することが大事で、その上で方向性を見出して、必要な対処・方法を考えるというのが基本。したがって本来は技術ややり方というのは2番目以降で出てくる話なのだ。2番目、3番目を1番にして考えるから、現代の農業を間違っていると岡田氏は言ったのだろう。食における栄養学の話や医療についても同様の指摘をしている。

万物の生成化育=自然の自己運動を司る火水土のうちの、土素以外も応用はできる。水素、すなわちエネルギーが伝達される場は、土素の配置や形からアクセスできるのだから、農業の時空間自体を整然と流れよく、機能的で芸術的に整えることで、起こるべくして起こる仕組みを整えることができる。生活でも同じく美を基準に整えたら、生活のなかで起こるエネルギー伝達にロスがないから、滞りがなくなる。岡田氏風に表現するなら、美術こそとらえどころのない水素を活用するための技術であり、人間に与えられた能力であるとなるだろう。直接配置するのは土素ということになるが、そのことによって水素を調えているという認識が大事で、農業を含む生命現象においては、水素なかんずく「水」の配置に心を配ることで、元素としての水素の核子や電子のスピン共鳴などがその場で影響しあって、生命が生命を助ける効果として現れてくることを思いやる必要がある。

火素は活性、エネルギーだから、農業においては単純に日当たりをよく考えるってことになるが、生命活動自体が熱を発するのだから、その熱も利用しようということになる。酸素呼吸がより熱量が大きいのだから、土の呼吸の確保、酸素の通り道で熱が出るということだし、酸素呼吸する人間も、呼吸の方法や血流を良くするというのも火の要素を生かすということ。エネルギーはお互いに相互作用するものがあるから、光の周波数の変換とか、電子スピン共鳴とか、光音響効果とか、ものの配置や形(水素)によって効果的にトラップしたり振幅を重ねて利用したりできるし、対象に意識を向けイメージ像をつくること自体も、脳内の情報処理にともなう化学反応が形成する量子場のゆらぎを通して、対象へ様々なエネルギーを伝達していることになるのだから、これも利用の仕方しだいなのだ。精神は精神世界という別世界があるのではなく、この世界の一部であり、精神が拠り所とする構造を通して、物質世界に影響を及ぼしている。対象とそれを認識し思考するものとの間に相互のやりとりが発生するために純粋な観察が可能であることを前提とする科学的な分析・解析に馴染まないだけである。とすれば、人の気持ちを良くするものはその情報自体が気持ちの化学反応に影響を与えるということだ。ある特定の情報で人々に同様のメッセージや感情が湧くとしたら、化学反応同士には量子場を通してエネルギーの共鳴が起こることを意味する。これを想念の世界と呼ぶのかもしれない。したがって、言葉や文字、踊りや祈りといったものも人の想念を通して働く火素の技という捉え方もできるだろう。

目に見えて、道理を理解でき、容易に応用できるのは土の要素、因果律である。
土の偉力を発揮させるとは、「因果律を応用する」という意味であり、
道理に基づいて思考し、結果から道理を解し、思考する存在として相応しい、宇宙の因果を形成していくことが人間の勉めであるという意味だろう。これは仏教でいう依正不二(えしょうふに)と同じ内容と思われる。
この世界の根本を理解しようとしていくことは、人間とは何かを理解していくことと同義、同じ道の表裏のことなのだ。

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わたわた(いしわたかおる)です。料理と野菜を育てることが大好きです。何気ない日常も全てこの地球の表現の1ページ。生命と進化の星、地球を表現すべく、日常の1つ1つに心を込めて「生きる」をやっていきます。

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