農の会現地研究会2013

今日は農の会現地研究会in自然農法センターがありました。「農の会・農業生物学と自然農法との出会い」がテーマ。自然農法センターの圃場見学の後、農の会、自然農法センターそれぞれから講演、その後ディスカッションを行いました。
農の会現地研究会130922
圃場見学では、まず自然農法の基本原理と自然農法センターが位置づけている「育土」について、具体的な作付け体系を通して説明。育土の土とは生態系のことであり、作物が作りやすくなった土は雑草が大人しくなったり、少ない肥料あるいは無肥料でも十分に作物が育つようになることなど、科学的な分析で分かっていることなどを解説しました。

座学の講演は午後から。まずは農の会副会長の柳下登氏による農の会の農業を捉える目線について「宇宙-地球-生物の進化から農をとらえる」と題して講演。
農の会現地研究会資料
講演のポイントや気づいたことを記してみます。

ほ乳類の祖先から猿へ、猿からヒト、ヒトから人間への進化のなかで、棲息環境が森林から草原へ移り、身体の使い方が変わり、同時に腕や指の構造が変化し、二足歩行が脳の発達を可能にしたなど体の変化と生活の変化が一致しており、ヒトは生活を通して進化してきたと捉えます。また脊椎動物の誕生や魚類から両生類への進化においては、より一般的・基本的な形態を残していたからこそ次の進化のベースになりえたところもポイントでした。
こうした生物進化は既存の体制を新しい環境のなかで使っていく過程で生まれてくるものですが、こうした既存の枠組みや構造をベースにして新しいあり方が生まれていくのは、生物に限ったことではなく宇宙が生まれてからの宇宙の発展法則そのもの、多様化の歴史と言えます。

そして、人間の歴史、農の発展の歴史もヒトとしての自然との関わりから、手を使い、自然を改変することを通して人間としての進化・発達してきたと捉えます。人間の持つ能力や人間社会はある日突然生まれたものではなく、狩猟や農業などの生活を通して積み上がって形成されたものです。またそこで生み出された農的自然は、人間が関わることで生じる二次自然であり、農作物を育てる基本はそれらの作物がどのような歩みをしてきたかを基本に置くという原則が見出されると思われました。

続いて、自然農法センターから、耕地生態系を育てる自然農法と題して講演。プレゼンテーターはわたわた。わたわたは農の会会員ですが、今回は自然農法センターが捉える自然農法について、「育土」や「栽培」をどのように捉えているかを畑での説明をさらに詳しく解説しました。農耕地を生態系として捉えている立場では、土づくりとは作物が畑の自然の一員として一定の役割を果たすように仕向けます。すると年々生態系に作物をつくること自体の効果・影響が積み上がっていくので、繰り返すことで作物が栄養を吸収でき、天敵生物も安定して住み着くバランスが出来上がることになります。そして「育土」を基本に据えると、必然的に、栽培はその畑の生態系の働きやその作目・品種の特性が発揮されるようにサポートすることとなり、また育土の進行に合わせてその内容は改変していくことが自然となるでしょう。自然農法という特定の方法があるのではなく。二つとないその地の自然に合わせた作物がつくる生態系を様々な方法で構築していくこと。つまり畑の数だけ農法があることが自然。これが結論でした。

2つの講演は、作物や農耕地には現在そのような性質となるに至った歴史があり、今もなおそれは変化し続けている。その作物や農耕地の歴史を栽培方針のベースにして農業を行うことで、土も変化し、より作物栽培に適した生態系(自然)が生じ、安定してくるという風につなげることができると思いました。
農の会は生き物を縦(経)のラインで捉え、自然農法センターの自然農法は生き物を横(緯)のラインで捉えます。それら経緯の交わりに農業技術を組み立てる本質があると思われたのでした。


続くディスカッションは27名の参加者から1人1分の自己紹介をした後、質疑応答や農業の取り組みについての多様性について意見交換をしました。
今回のキーワードは、多様性・そしてつながりであったと思われます。宇宙の誕生からヒト・人間の進化・発達まで、自然は多様性を増す方向に変化変容を続けてきたのであり、その1つ1つの担い手は単独で存在しているのではなく、生活を通して他者との関連を結ぶことで生き残ってきました。農業、農家もまた同じで、農業を通して地域風土、その農地の自然、消費者や周囲の方々との関係を作っていくことでそれぞれの個性・多様性が生じていき、それらがつながり、情報交換をすることによってお互いに刺激をうけ、新しい農の世界が開かれていくそんなイメージが湧きました。今後の農の会の方向を感じた現地研究会でした。


昼食は木の花ファミリーのお弁当でした。蓋をあけると、会場のあちこちから感嘆の声。中には食べて涙ぐむ人も。木の花ファミリーから参加しているたっちゃんとじゅんちゃんがお弁当についての解説。
農の会現地研究会130922-2
心を込めて作ると、ちゃんと想いは伝わるのです。作る人の心も、食材1つ1つを育てている人の心も、真剣にものごとに向かい合っている人のつくるものって、ものを通してその想いは伝わるものなのですね。
想いに実体はないが、想いはこの世界の実相・実態なんだなって想いました。

畑の説明や座学で言葉や見聞から伝わるものは目に見えるし、聞こえるし、一見理解しやすいけれど、その方法を異なる場所でそっくり真似ても農業技術というのは同じ反応にならないことも多く、言葉には限界があるなと思うことも多いです。こうした直接心に伝わることがあると、同じ想いから出発している言葉での表現には真実味が着いてくるなと思いました。

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わたわた(いしわたかおる)です。料理と野菜を育てることが大好きです。何気ない日常も全てこの地球の表現の1ページ。生命と進化の星、地球を表現すべく、日常の1つ1つに心を込めて「生きる」をやっていきます。

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