信州ぷ組視察会トマトナス組

9月8日、9月10日の2日間に分けて、信州ぷ組視察会のトマト・ナス組があり、3軒ずつ6軒の農家を視察しました。8日は上田市武石の成田農園→佐久市の坂下農園→群馬県沼田市の根岸農園と回りました。
根岸圃場130908-2
成田さんのところは、例年通り大きな問題はなかったのですが、今年の春先の低温や夏の猛暑の影響が、圃場の連作歴の長さによって異なって出ていると思われました。連作歴の長いところでは草勢不足、浅いところでは草勢過多となっていて、葉かび病の出具合・下葉の残り具合が違っていました。地力が関わっていることだなと思われました。

坂下農園では新しく契約栽培に取り組んだ欧州品種と従来からつくっているアイコをみました。アイコは猛暑を乗り越え、また栽培管理も的確でしたが、新しい品種には施肥設計が合わなかったようで、さらに今年の猛暑の影響でいろいろと問題が出ていました。何とか木を落ち着かせようと整枝を工夫した跡があり、次年度には技術的課題は開けてくるだろうなと思われました。

根岸農園の見どころは、なんと言ってもイエローミミ。
ぷ組2013トマト視察会
この気難しい品種をしっかり作りこなしているのです。昨年まで課題だった中盤以降の草勢維持については、低段の着果数を抑え気味にして、かん水・追肥を確実にすることで解決していました。低段の着果数については育苗を改善して、やや硬めの苗にすることで誘導しているのも良い選択で、それで初期生育期に走らせないことでメガネ茎の発生も同時に回避できていました。またマルチ内かん水と通路かん水の両方ができるようにかん水チューブが設置してあり、それぞれを草勢維持と果実の充実と役割分担させながら管理しているのもさすがでした。品種の特徴、CECが小さく水はけの良い作土の特徴を、的確な技術でうまく結びつけていました。


閑話休題。8日のお昼ごはんは、武石から佐久への移動中に寄った長野県立科町の農ん喜村(のんきむら)という農産物豊富な直売所。味処「のんき亭」のうどんメニューに「ゴボ天うどん」なるものを発見。天丼は別メニューとしてあったものだから、試しに、ゴボ天うどんのうどんをご飯に変えて、ゴボ天丼にできますか?って聞いてみたら、なんとOK! にこにこしながら「おまちどおさま、ゴボ天どんです」と出してくれました。
昼ご飯ごぼ天丼
汁ものとして、ミニうどんもつけてくれて、感謝です。

10日は、安曇野市→高森町→岐阜県可児市と回りました。
まず安曇野市穂高のナチュベリーズ安曇野自然園さんからスタート。
ナチュベリーズ
ブルーベリーとミニトマトの有機栽培に取り組んでいます。メイン品種は「ココ」。そして桃色、黄色、オレンジ、ブラック、淡黄色の各色のミニトマトも栽培。ミニトマトの見本園みたいで楽しかったです。課題は「ココ」のアブラムシと葉かび病、裂果対策でした。「ココ」はJAの指定品種とのことですが、他品種も可能とのことだったので、葉かび抵抗性CFタイプへの品種変更が有効と思われます。アブラムシ害と裂果は、育苗と肥培管理・水管理の改善を示していると思われました。CEC10以下の砂質土壌ですが、周囲は水田で地下水位は比較的高いのです。こういう土壌環境では、水を控えてコントロールすることだけに頼るのではなく、花芽の発達した苗をつくり、定植したトマトの根が水の潤沢な層に届いて水をがぶがぶ吸い出すまえに着果させて落ち着けてしまうことを基本方針にすると良いのです。

次は高森町の温ファームさん。新規就農2年目にして有機JAS認証を取得しているトマト栽培です。研修時代から圃場管理を始めていたので、就農後の本格始動と同時にJAS申請が可能だったとのこと。
温ファーム
メイン品種は「麗夏」。品種の草勢の強さをしっかり着果・玉肥大へ振り向けることができており、育苗から初期生育管理まで、お師匠さんの技術をしっかり身に付けていることがうかがわれます。課題としては草勢が落ちて以降の回復が難しいことで、これは生殖生長を優勢にする技術と裏腹みたいなものなので、肥培管理(特に追肥や待ち肥など含む)・水管理をそれに見合うように改善することと思いました。害虫は導入天敵で防げており、そのタイミングのとり方もしっかり観察して対応しているものの、病害については課題がありました。葉かび病抵抗性の麗夏に葉かびがチラホラ出ているのです。麗夏の抵抗性CF9を打ち破るレースが発生しつつあることを示しており、ボトキラーなどの納豆菌の類で耕種的に抑える方法も併用するべきと思われました。

最後は岐阜県可児市のかにころん菜園さん。ナス「千両二号」を栽培しています。
かにころん菜園
水田地帯なので、トラクターの爪の向きを変えて高畝をつくったり、かん水に光合成細菌を流し込んだりといろいろと工夫をして取り組んでいました。印象としては、ナスや栽培そのものより、機械の使い方や畑の装備や配管などへのこだわりが強くて、それらの工夫でどんなナスや土壌がどう反応し、どんなナスが採れているのか、それはどういうナス栽培を目指そうとしているのか・・・・がよく見えなかったかな。地域慣行の栽培方法で「千両二号」をつくって個選販売をしているので、今の路線で行くとすれば、一定量を安定して出荷しつづけること、作業をルーチン化して規模拡大し、さらに安定した量を生産することが目指すところになるかなと。単価を上げられない作目・品種なので、その路線でいくなら、いかに作業をルーチン化するか、管理作業や防除を遅れずに行うかが要で、それを自分だけでやるというよりも、将来は雇用を考えて取り組むことかなと思います。個人的には「こだわる」ところを生かして、単価への市況の影響を小さくできるナス品種の選択や有機栽培などの導入をした方が合っているように思いました。

最後にかにころん菜園の選果場併設の会議室(?)で座談会。
可児オフィスで検討会

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わたわた(いしわたかおる)です。料理と野菜を育てることが大好きです。何気ない日常も全てこの地球の表現の1ページ。生命と進化の星、地球を表現すべく、日常の1つ1つに心を込めて「生きる」をやっていきます。

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