愛とお米があればいい

今作成している小論文作成の一環で、ちょっと古い文献に行き当たりました。何でも食べるヨトウムシ。野菜や花や果物まで被害があります。1963年に書かれたその論文では、広食性のヨトウムシが餌の種類によって、育ち方が違うことについて、異なる餌を与えて具体的な様相を調べる実験をしています。今はこういう研究はほとんどなくなってしまったけど、なぜ害虫が発生するのかを知るには、害虫そのものがどういう生き方をしているのかを知らなきゃならない。経験的にはそうだろうとは思うが、それは発見の初歩の域を出ない。自然法則というのは数字です。宇宙は物質ではなく数字で出来ている。数字とは時空であり、波であり、愛のことです。数学は宇宙の愛を学ぶことです。っと横道にそれましたが、自然の働きで作物を育てようとする上で、生態研究というのはとても貴重な研究なのです。

で、その論文では、ヨトウムシの終齢幼虫に2種類の餌(高窒素、低窒素)を与え、蛹化までに要する日数や死亡率、蛹の大きさを測定しています。

高窒素餌「甜菜」(窒素含量3.83%)蛹化6.2日 死亡率12% 蛹重146.9mg
低窒素餌「甘藷葉」(N2.80%)蛹化11.4日 死亡率30% 蛹重76.8mg

餌の窒素量と植物種の違いのどちらが影響しているかは不明ですが、高窒素の餌と低窒素の餌では、幼虫の発育にかかる日数も成長量も全然違います。これは実験室内での飼育実験なので、低窒素の餌というのは、幼虫にとって、野外では葉上に長くとどまらなければならず、体も大きくできないことはかなりシビアな問題です。蛹化までに時間がかかれば、カエルやクモ、ゴミムシ、スズメ、ヒバリなどの天敵に襲われるリスクが高まります。これは消化能力・体力の高い終齢幼虫での実験ですから、幼齢幼虫ではさらに深刻な問題になるでしょう。

ムシにとって、餌植物が好適かどうかということ、特に含まれる窒素量(タンパク質やアミノ酸)の多い少ないは繁殖を左右する重要な問題だということが示唆されているといえます。

ここからはこの論文の引用ではありません。
ムシの糞にはかなりの窒素が含まれています。窒素含量といってもタンパク質のかなりの部分はムシの体内を素通りしてくるということです。ムシが食べている窒素分は消化しやすいタンパク質や遊離アミノ酸であると考えられます。腸管が短く、通過速度が速いことから、体内で腸内微生物によって発酵処理?される時間が短いからでしょう。だからたくさん絶えず食べ続ける必要があり、食草の窒素含量がシビアに影響すると考えられます。ニームやクララなどで一時的に摂食を鈍らせるだけでもこうしたムシの繁殖を減じさせることができることもその証左といえるかもしれません。

わたわたのつくっているキャベツの窒素含量は、外観的に同じ大きさの地域慣行基準で施肥するキャベツの半分程度しかありません。炭素量はほぼ同じなのでC/Nは倍違います。ムシにとっては脅威の食べものなのかもしれないです。


ところで、人間はどうでしょうか。
人間は腸管が長く、コアラほどではありませんが、食べものを腸内微生物との共同作業で消化しています。高炭素でムシには消化できないタンパク質も消化吸収できます。また腸内微生物は、食べもの中のアミノ酸とオリゴ糖などを原料にナイアシン、パントテン酸、葉酸などのビタミン類を合成し、人間はそれを吸収することが知られています。高炭素率のものを食べても消化でき、ビタミンもある程度自給できるように出来ている。ムシと同じ食べものをとらなくても大丈夫に出来ているようです。つまりコメと味噌とちょっぴり野菜くらい食べていれば、カロリーも必須アミノ酸もビタミンも不足しない仕組みは構築できる。せいぜい一ヶ月に数回卵食べてビタミンB12を補給するくらいで十分なのでしょう。
結論、「愛とお米があればいい」です。

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わたわた(いしわたかおる)です。料理と野菜を育てることが大好きです。何気ない日常も全てこの地球の表現の1ページ。生命と進化の星、地球を表現すべく、日常の1つ1つに心を込めて「生きる」をやっていきます。

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