カレンダーは誰んだ?

バイオダイナミックカレンダーを農業や生活に応用している人のFacebook記事を見ていて、気づいたのだけど、日本のバイオダイナミックカレンダー(日本バイオダイナミック協会発行)の各エレメントの配置は、地球から見た月の方位の12分割(いわゆる30度ごとに等分された12星座宮)とはずれて設定されている日があるようなのです。わたわたはこのカレンダーの実物を持っていないので、正確な情報なのかの確認はできませんが、Facebookでの書き込みによれば、

4月16日10時から4月18日18時までは花の日(双子座?)、
4月18日19時から4月20日11時までが葉の日(蟹座?)とのこと。

でも実際の月の方位は、
4月16日11時52分から4月19日0時14分までが葉の日(蟹座)なので、天体の位置情報とは相当異なっているのです。どうしてずれているのか知りたくなり、ネットを探し回ってみました。
バイオダイナミック農法は地球から見上げた太陽や月、惑星位置の影響を考える農法という説明はあちこちでみることができ、月の方位だけでなく、他惑星との相互の位置関係、地球軌道(黄道)との関係などで変化すると説明されているものもあったのですが、どういう場合に、実際の天体の位置情報と、その総合的な作用を生き物や地球上の局地気象への影響として導けるのかを詳しく紹介しているサイトというのはないのでした。

わたわたの持っているマリアトゥーン著「天体エネルギー栽培法」には、月の軌道が地球軌道の上や下に変化するとき(上弦や下弦のタイミング)や合となるときに不都合が生じるといった記載があるのですが、全てのパターンが記載されているわけでもないし、それも時の場合によっては変化すると。そもそも天文学の知識は不要であり、毎年発刊されるカレンダーを見れば書いてあるのだからそれで事足りると書いてあるのです。

一方、ネット上でバイオダイナミックカレンダーを見ることの出来るサイトもあり、園芸のエコカレンダーというサイトでは、単純に月のいる星座宮を実(熱)、根(土)、花(風)、葉(水)に割り当てているようです。このサイトでは各国の情報も見ることができるので、国によってどのくらのズレ(時差)があるのかを知ることもできます。わたわたは地球暦の月位置データに基づいて算出したのですが、ズレは大きくても3分くらいでした。日の出時刻が各地でずれるくらいのレベルなのでしょう。

月の位置情報というのは、地球-月という天体同士のレベルなので地球上のどこから見ているかというのは大きなずれになりようがないはずです。カレンダーの数だけ異なる月の位置があるのではなく、天体の位置は万人共通のものです。カレンダーが異なると、花だとか葉だとかが異なるっていうのは、栽培者がどの流派のカレンダー使っているのかで、生き物の生育が異なってしまうっていうこと? それも変ですね。

つまりは、カレンダーの区切りの差というのは、万人共通であるはずの天体の動きを人間がどう解釈しているかの差ということであり、それは一見すると宇宙の法則のように思われるけれど、宇宙そのままの法則ではなく、人為、人による解釈なのです。だから流派が生じるのです。宇宙そのままだったら、地球暦のように誰がつくっても1つしかできない。ユニバースはユニバーサルなのです。

わたわたは、正解探しをしたいのではありません。

マリアトゥーン女史は、彼女が住んでいるフランスのとある地域の気候条件のもとで各天体位置情報と植物の生育を事細かに観察してそれぞれの天体の影響を1つ1つ、そして複合した場合のことを検証していったのでしょう。複合の場合というのは、ホロスコープの多様なパターンから直感的に意味するところを導くのに似ているのではないかと思われます。しかし、それはジオセントリックであるがゆえに、影響を受ける地域の性質・個性があって表現されるものということを意味していると思うのです。すなわち、天体の影響を地球のその緯度経度で受けるということ、その地域の地形や植生の配置で持って受けるから、一定のパターンで関連しあって反応し、気象にも影響が現れるのです。

地域が異なっても、同じパターンで反応する保証がどこにあるのでしょうか。

ついこの間、長野県の北・東・中信地域では雪になりました。月(水)が牡羊座(熱)で新月となって水蒸気が大量に流れ込んで雪が降ったという解釈も出来そうです。一方で金星(風)が牡羊座(熱)に位置して空気が熱い条件なのになぜに雪になるのか?というと、愛知や静岡は暖かくて乾燥しきっていましたから、そっちではつじつまがあうようにも思います。つまり地域気象で解釈するためには、その地でずっと観察を続けていれば尤もらしくなっていくかもしれないけれど、その時々につまみ食いするような解釈だと、同じ日本においてさえ、ちょっとだけ地域が異なれば、両立しないし、都度良く解釈してるだけ?ってことにもなります。

だから、天体の影響というのは「地球上のある緯度経度で、ある地形、ある地域風土や植生条件のもとで」という条件を加味して観察し、知見を蓄積しながら、その地で通用する解釈・法則を見出していくことが基本であって、まして北半球版とか日本版といった広域レベルで一般化することには限度があると思うのです。同じ惑星配置でも、地域が異なれば違う影響で出てくるとすれば、本当のバイオダイナミック農法というのは、地域の気候風土や自分の田畑、育てている生き物と結びつけて、マリアトゥーン氏と同じかそれ以上に念密な観察や実験をして蓄積していくものと言えると思うのです。どこからどのように導かれたのかを気にすることなく単にカレンダー使っているのでは、普通のカレンダーをみて今日は仏滅だとか大安だとか言っているのと変わらなくなってしまう気がするのです。

必要なのはカレンダーではなく、まず正確な星の位置を出せるツール。
そして参考解釈書としてのカレンダーはあってもいいけれど、なぜその日がその要素となるのかを解説する情報、指南書が必要だろうと思うのです。その指南書を参考に自分でジオの惑星配置を描き、その複合した配置の影響を作物や家畜、あるいは人間の肉体や精神への影響として理解・解釈していく。その地道な積み上げがバイオダイナミック農法を実践するということだと思うのです。

ルドルフ・シュタイナーは、誰か特定の人のみが特殊なカレンダーをつくることが出来、多くの人々はそれに依存する状況を目指したのでしょうか。かれが農業講座を開いたのは、天体や自然を観察し、自らカレンダーを創れる人を育てていくことを目指していたからではないのでしょうか。

指南書がなかなか見つけられない現状であれば、指南書を自らつくる人、世のため人のために、月や惑星の配置を紐解く過程を提示していくこと、それを地域地域で実践して比較もできるようにしていくことが真のバイオダイナミックの実践ではないかと思うわけです。

このように在るべく姿を導き出していくと、ちゃんと天文学と西洋占星術とを学ばないと生半可では、難しそうです。しかしわたわたも取り組む必要がありそうだなと感じています。
今、私たちが取り組んでいるその事は、どこから来て、どこへつながっていくのか。その過程のどこを私は担っているのか。その取り組みが本当に担っていることになっているのか。逆風になってやしないか。今、人類1人1人がこのことを意識する段階に来ていると思うのです。そう思うからこそ、自らが実践せねばなりません。精進して行きます。

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わたわた(いしわたかおる)です。料理と野菜を育てることが大好きです。何気ない日常も全てこの地球の表現の1ページ。生命と進化の星、地球を表現すべく、日常の1つ1つに心を込めて「生きる」をやっていきます。

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