講義2つ

今日は土佐自然塾での講義二日目で「有機農業におけるタネの役割と自家採種」についてお話ししました。一応たねとりの講義ですが、話のメインは品種の特徴を見出すための視点、見出す栽培をイメージし、設計するためのポイントです。単純で安易にタネをとって、有機のタネだからいいだろうじゃダメ。ちゃんと営農に役立つようにするには、自家採種したから良いとか考える前に、市販の品種をいろいろ使ってみて、品種によって随分草姿や生態が異なること、栽培方法との相性、それぞれの品種に栽培で合わせるっていう感覚をつかんでおく必要があります。その感覚を養ううえでも、品種選びの視点、自家採種した系統を使って比較するっていうのを、メインの栽培の傍らで少量取り組み続けるのが良いと思います。

午後からは、高知県農業技術センターにて、「高知県普及指導員専門技術高度化研修(土壌肥料)」という研修会にて講義をさせていただきました。県の農業改良普及員さん、JA営農指導員さん向けの研修会です。
高知県農業技術センター
お話をいただいたときに、土壌肥料分野の普及指導にかかわる方々が、より専門的に有機農業における土壌肥料分野の認識を深めようという趣旨で設定された研修会ととらえました。
しかし、いただいたお題は「自然農法における土壌および肥培管理技術と考え方」というタイトルだったので、有機農業一般の話ではなく、自然農法の直球で話させてもらえる機会だなと思いました。
なので、自然農法のなかでは、土壌肥料の分野でいう土壌管理、肥培管理といった区分できる基本技術はなくて、総合的に土の機能を高める栽培体系をとり、その補完技術も多様に取り得るものであるっていうスジで話を組み立てました。

おそらく自然農法っていうと、世間一般には耕さない、除草しない、施肥しないっていうイメージであり、少し実態を知っている人には、EMボカシやEM液を使う有機栽培のことというイメージがあると思われます。まず手法で区別するものではないという話。自然農法の自然についての話から入りました。自然の仕組み=田畑を耕作することによって自然に備わる耕地生態系の働きを積極的に利用して収穫を得、また栽培を通して増強し、安定化させる連続した取り組み(=育土)が自然農法です。自然とは人為をかけないという意味ではなく、人間も含む耕地生態系のことです。これって本当は自然農法っていうより、農業の本質そのものなのです。究極的には自然農法なんて言う必要がなくなる、農についての共通認識になることが目標だなと思うわけです。

その後は具体的に栽培を通して土が変わる、作物の出来具合が変わる、病虫害の出方が変わるといった試験研究を紹介して、それらがつながりあっていることを説明しました。またそれを応用した栽培事例も紹介しました。
また最後に基本的な土壌環境の確保として、育土の素材となる土壌の健全さいわゆる土づくりについても軽視していないことを説明。すなわちCECに見合う適切な塩基バランスの確保は、土壌粒子の負電荷がもたらす機能を安定させるために必要という話。

最後は1つ1つの耕地生態系が豊かになっていくことが景観生態系を形成し、地域風土を形成するのだから、地域農業をどう発展させるのか、食料自給率をどう高めていくかのなかに、有機農業振興を組み込むことで新しい農業の展開が図れるのではないかと提案し、1つ1つの田畑を担う農家の皆さんの自覚、人間的にも高い視点をもって営農に取り組む人を育てることではないか。そういう農の未来を目指すのが自然農法ですと結びました。

皆さんとても熱心に聴いてくれて、質問もあったし、良い講義ができたと思います。有機とか慣行といった垣根なく、農に対する共通認識、農家の皆さんに対する技術情報を提供し、現場から学ばせてもらう意識を共有しながら、今後ともつき合わせてもらいたいな、そう思いました。

南国市にある農業技術センターから宿泊の高知市のホテルまでの移動は一般道路を使いました。昨年、家族旅行で高知を回ったので、ナビなしでも道は分かります。
日の入りの瞬間
ナント、日の入りの瞬間に遭遇。金色です。全てが金色。しかも前に車がいない信号待ちのタイミングで。ご褒美かな〜って思いました。

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わたわた(いしわたかおる)です。料理と野菜を育てることが大好きです。何気ない日常も全てこの地球の表現の1ページ。生命と進化の星、地球を表現すべく、日常の1つ1つに心を込めて「生きる」をやっていきます。

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