鉢上げは1日にしてならず

今日はトマトの鉢上げをしました。鉢上げは128穴セルで本葉2.5枚くらいまで育苗していたトマトを10.5cmポットに植え替えます。
トマト鉢上げ1
鉢上げというのは、大きくなったらセルから引き抜いて、ポットに挿すっていう単純な作業のことではなく、セル育苗で出来る育苗の長所を十分に引き出してから、土量の大きなポットへ移植することで、質的にも量的にもさらに育苗によって作物の生育を高めることと考えています。

セル苗を使うメリットは移植に伴う根の切断が極少ないこと。1株当たりにまぁまぁ多い土量を占有させることができることです。デメリットもたくさんあるけれど、メリットを活かすという視点で言うと、そのセル内で出来る最高の根張りを引き出すことがポイントとなるでしょう。セル苗はセルの底が空いているけれど、下に別のトレイを重ねたりすると、意外に空気が入らないので、分枝根が出なくなります。トレイは浮かせた方が良い。また横方向で水を融通し合うことができないので、乾くことを警戒してかん水をついつい過保護にしがちで、そうするとやはり酸欠になって分岐根が出にくくなり、直根ばかり伸びて、セルの下部でとぐろを巻いたような苗になることがあります。そういう根をつくってしまうと地上部も徒長するし、苗の大きさの割に根が少ないので土が抱えられておらずセルからうまく抜けないってことになりやすい。なので、かん水は徐々に控えめに持って行き、根長よりも分岐の多い根系をつくります。そして、鉢上げの少し前からはかん水の全量はどんどん控えていきながら、有機液肥入りのかん水を1日に数回少量ずつ行って、セル土の表面だけを湿らせるようなことを数日行います。すると、セル土の表層部分に根を誘導することができます。写真のように覆土のすぐ下まで根が張っている状態にすることで根鉢が崩れるのを防ぐこともでき、鉢上げ作業もはかどります。

鉢上げ前日はかん水を極控え、当日は朝から苗は半日陰において、鉢上げまでは霧吹きのみで管理します。
セル土はかなり乾いていますが、数日かけて乾燥耐性を高めてきた苗は萎れません。今日の育苗ハウスはかなり暑くて、風も強かったのですが、へっちゃらです。
トマト鉢上げ2
これをポットに開けた穴に5mmくらい高くなるように挿します。
そして水をセル部分にかけて根鉢の土を水で崩すようにするとポットの土と水みちがつながります。これで鉢上げ終了です。セルの上層まで分岐根があるので、こうやって鉢上げすると、セル苗の根鉢の4側面からポット土の四方八方へ各根が伸びていって活着します。

従来の箱育苗の根は苗採りを上手にやっても少なからず根は切断されるし、それを広げるようにポットへ植えるのも技能が要ります。ヘタにやったら、鉢上げ後1,2日は寒冷紗をかけなきゃいけなくなることがあったり、鉢上げ後の根がいきなりずどんと真下に伸びてぐるぐる回るような伸び方になります。浅く寝かせて鉢上げする方法もあるのですが、これは下胚軸から不定根が出て、一見根量が多くなりますが、草勢が暴れやすくなるのでわたわたは好きになれません。根の先端では地上部の形を決める植物ホルモンがつくられているので、本来根でないところから根を出すと、地上部も訳の分からない分枝が伸び易くなるし、大玉だと果実の肉質が荒くなります。

セルの水管理は細やかにやる必要があるので手間がかかりますが、ここをいい加減にやると、苗質が悪くなり、後々の栽培管理が育苗の失敗をフォローすることが課題になってしまう事になりかねないので、大切な時期にかけるべき手間(もっと言えば、常に苗のことを想う心がけ)をかけることは大事だと思います。

コメント

毎年、少しずつ内容が増えていて役立ちますだ。来年はもうちょっと水を減らしてみよう。
2012/05/14(月) 19:26:51 |URL|ばかぼんのパパ #- [編集]

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わたわた(いしわたかおる)です。料理と野菜を育てることが大好きです。何気ない日常も全てこの地球の表現の1ページ。生命と進化の星、地球を表現すべく、日常の1つ1つに心を込めて「生きる」をやっていきます。

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