農の会のこれからに向けて

今日は農の会幹事会でした。事務所を新宿農協会館から松本市波田の土肥農園事務所内へ移してからもうすぐ1年。幹事会は松本や木の花で行ってきましたが、今回は久々に新宿でした。といってももう事務所はないので、喫茶店ルノアールに併設されている貸会議室「マイスペース」を利用しました。5-10名利用に最適なサイズの会議室で、飲み物も飲めるし(当たり前か)、良い感じでした。

今回の幹事会では、11月12日に行った小平環境の会との共催の現地研究会についての振り返り、そして来年の定例研究会・総会について白紙からの話し会いをしました。それがまぁ、なかなかどうして深い話し合いになりました。4時間の予約時間いっぱいまで話してちょっと時間切れ。でも次の定例研究会は、これからの農の会が新しい方向へ歩み始める第1歩になるように思われました。

まだ会場予約などの事務手続きが十分ではないので、後日改めて掲載しますが、2月最終週の土日、東京です。
テーマは「農の力〜人に伝えること、人とつながること」です。
このテーマに至った話し合いの内容をシェアしたいと思います。

D:農の価値は85.5:1.5の1.5なのか、TPPについて農の側からみるのではなく、逆の方法、経済学から見たら農業はどうあるのか、経済の専門家からみた農業観、TPP感を話してもらうような研究会が持てたら良い。そこから農業の多面的な価値はどう見えるのか、その価値を農業からどう情報発信していくのかを考えることができたら良い。
Y:ここ2、3年間農の会で何をやって来たかから考えてみる。主に長野の新規就農者の技術、取り組みを中心にやってきた。技術では土づくりに焦点を当ててきた。トータルでどうなのかをまとめる機会はどうだろう。
D:土については、今度の信州ぷ組土の会主催の勉強会(2/1-2)のなかで特別枠で検討の機会をもつ予定。今見えてきているのは、ECと作物の生育の関係。ECで土の中の養分量が説明できない状況、土壌中の地力=物質循環を意識せざるおえなくなっている。これは見える化学性だけをとことん詰めていったら見えてきたもの。非常に面白いのだが、背景の理解も必要で、この話にあまりに特化してしまうと、ちょっとマニアックかと思う。
B:東京H市Uさんの畑は、肥料が少なくても良くできる。本人は根が土を最大限に有効に使うから良くできると説明している。最初は落ち葉堆肥をたくさん入れ、しだいに減らしながら、最終的には生ごみでつくったボカシを少し使うだけで栽培できるようになっている。亜硝酸窒素が生じないから虫が食べないという。今、東京は放射能問題で落ち葉が使えないので、藁とか雑草とか作物を畑に敷いて、腐葉土の代わりにする技術が有効だと思う。生ごみもこれから脚光を浴びると思う。
D:現場の事例をどう読み解くかが大事で、今のような話でもやり方を単に真似るのではなく、現場を観察し、どんな根が出ているかを見るとその堆肥の使い方が見えてくる。現象から何を汲み取って技術を組み立てるかが大事。
B:原理が分かると応用もできるのだと思うが、どうしてもマニュアルを知りたがる人が多い。
D:現場の自然がどうなっているのか、その技術というは、自然にとってどうなのかという視点・フラットな視点でみることが大事。有機とか不耕起が良いとか、このやり方をしなさいはなく、そうした情報は全てその現場での事例に過ぎない。参考にはなるけど、最終的には農家が自分で判断するしかない。先生が答えを持っているのではなく、答えは現場にある。
B:子どもが虫や草や土から学ぶように、自然から自然に身につく感覚が大事ということもあるだろう。
D:新規就農者は就農して3年以内で結果をださなきゃならない。代々の農家さんは、子どもが後を継いで、失敗しながら身につけていって代替わりしても間に合う。新規就農者はその時間がない。まず入り口として科学的な勉強を必死でしていった結果、マニュアルではなく、原理を理解して自分で選択し、現場で結果をいただくというのに至った。
D:先日の研究会での体験農園の取り組みは、ダイコンや土などの個々の基礎の勉強を皆でして、畑でそれぞれが考える機会を提供しているように思える。バランスのよい学び方だろう。やり方だけをこの通りにやればいいと教えるのではなく、それがどうしてなのかが大事。市民の側からみて入りやすい仕組みがあると思えた。農家の都合で組み立てていない。自分が農家の都合からこうしたいよりというよりも、基本的な情報は提供してそれぞれに預けていると思う。
B:農業というよりも地域のコミュニティをつくりたいということからやっているようだ。
U:ここまでを聞いていて思ったのは、2軸で行きたいなと。小平で感じた感覚はキーワードで言えば喜び、楽しみ、感じること、そしてそれが人と人がつながることによってできるってこと。農の会は知性としての楽しみ。学んで追求して、おばけ(例えば「地力」)を浮かび上がらせる。世の中には特定の方法(おばけ)を絶対視してしまう人がたくさんいるが、農の会は、農を科学していった結果、「おばけ」の実体を明らかにすることができる会。この2軸、感じる・つながる楽しみと知る楽しみ、2つで補いあえるといい。ちきゅうれきでみたら農の会の個性もそうなっているのではないかな。
M:農業の情報をどう発信するか、誰に向けて発信するのかを決めると在り方が決まるだろう。地元の小学校3年生の地域学習に「梨」について教えているが、子どもは話したことは覚えていないが、梨を食べたこと、その体験は覚えている。誰に何を伝えるかを絞ることが大事だと思う。地域で担い手も畑も減っていくので、みんなで農業が続けれるための情報発信ができるといいのではないか。
D:信州ぷ組のIくん(2010年佐久現地研究会で視察)。彼は就農当時は普通の有機農業をやっていったが、素人のボラバイトを雇い、研修生を受け入れることで農業のスタイルを変えていった。その結果、地域を巻き込んで産業を起こす結果になっている。今、ここで話し合われたこと、小平の取り組みを知るだけでも、農業を維持するためにみんなが考える機会になる。TPPに本当に対抗していくためには反対を唱えるだけではなく、学び、発信する、つながって生きていく取り組みをやっていくことが必要。それが本当の産業化(六次産業化)であり、企業化・ビジネス・儲けの追求という面でなく、人と人がつながりを維持するために何をするのかが大事で、結果お金が付いてくるということ。儲けだけを追求しても貿易や大手の流れに対抗できるわけではないし、逆に儲けちゃいけないという発想もおかしい。食えない農業にこだわってバイトで生活している人もいるが、その人は自分の農業を通して地域を結びつける機会を失っている。自分が農業で生活できることが一番の社会貢献、ソーシャルビジネスになる。
B:TPPを怖くないという農家もいる。消費者とつながっている農家は安い外国産が入ってきてもちゃんと買ってもらえるという。つながれる人がいる農家は強い。農家自身がそういう関係をつくっていくことが大事。
Y:それは大切なこと。一方でその農産物を買ってくれる非農家も外国からの労働者の流入などで差別化されていく。労働環境、生活環境が大きく変わるだろう。農家を支えているその人たちの生活がTPPによってどうなるのかも見ないといけない。TPPで何が変わるのかは農業だけでなく全体を見る必要がある。
D:農家自身がまず産業化していく。農家が企業的に儲けの追求をしても生き残れない。何のために農業で生きていくのかは生き方の問題。産業化というのは社会貢献するビジネスを作り出すこと。自分が農業で生き残ることで、地域が連携し、人がつながっていく。農業を通して、農の価値を創造すること。
U:今度の研究会で、価格競争のビジネスではなく、Dさんのいう農家の産業化、農業による人と人の連携化、農に関わる人たちのエコビレッジ化、ソーシャルビジネスとしての農業というこれからの農のビジョンを示せると良い。
D:農業を選択するのは生き方。好きなことを続けられるというのが大切。儲けのための儲けではなく、産業として続けられること、地域貢献が続けられる農業になるために農業の自立が必要だろう。自立とは、農家が関わりの中で自らの在り方を決められるということ。農業の自立支援になる情報発信ができると良い。
B:もっと農業者が増えるべきではないか、農業人口が少ないし、高齢化してきている。都会でもお金がなくても生きていけるとか、価値観を変えていくことが大事だと思う機会が増えた。現金は必要だか、それが目的でない。人々の価値観が変わるような動きをしていくべきだろう。
D:その通りで、人を巻き込むことでお金が付いてくる。お金がなくても良いというのは、我慢することではなく、お金を目的にする生き方ではなく、それぞれが自分の信念を実現して生活する、自立ということ。
B:有機が大変だというが、見方、価値観を変えれば農業のやり方も変わるのだろう。
D:自分は有機農業をやりたかったわけではなく、理に適うところをやっていったら結果として有機肥料のみの栽培になった。雑草があってはいけないというのも、逆に不耕起こそが自然なんだというのは、実はどちらも人間目線。何が理に適っているのかは状況状況で違う。自然側にたって個々の農作業の意味を考えることでとらわれがなくなる。その上で経営的に判断していくことができる。
Y:人間が自然と向き合うということは基本人間目線でなければならない(笑)。原始時代からの自然との折り合いの付け方が農業になってきた。人の役割を理解する意味で同じ事を言っている。
B:畑を貸してくれる農家さんの雑草の見方は草を生やすことは恥ずかしいこと。それが除草剤を使う前提になっている。そういう人に雑草が役立つと言っても通じない。
U:周囲の農家はけっこう良く見ている。雑草の生え方や作物の出来具合が良く、あぜ管理がしっかりしてあると農家は雑草が少し生えていても何も言わない。こちらの農業も分かってもらえる。作物の出来が良くないのに雑草が生えていることが良いことだという主張をする人は、アンチ除草剤や不耕起を示したいだけなのではないか。おばけにとらわれている。そういう自分の主張だけでやっている畑は、農家は見れば分かる。
M:確かに雑草の生やし方はある。管理されていることが分かるように草を残すと何も言われないばかりか、キレイに管理していると言ってもらえる。
D:高齢化が進むと除草剤を使わざるをえない状況もある。そういう土は生態系が壊れていく。土については、現地研究会で現場を見ながらじっくり検討すると良いだろう。
わた:そろそろテーマが見えてきたのではないかと思います。ずばりテーマは?

D:え〜、テーマ「農の力〜人に伝えること、人とつながること」
農の持っている多面的な価値について、認識を深めたい。それがTPPに対する根源的な対抗軸だと思う。また講師一方的に話し、それを聞くというスタイルではなく、ワークショップを取り入れて、皆で話す、それぞれが考えて意見を言う場をつくりたい。結論は要らない、考える場を提供できたら良い。

(一同賛成)
わた:皆の問題意識をあわせるための話題提供を何人かにしてもらい、ワールドカフェ形式というか、人を途中で入れ替える分散討論の形式でディスカッションしたらいいですね。早速話題提供を検討しましょう(話し合いはつづく)。

コメント

面白い会議だったと想像できます。

定例研究会楽しみです。
2011/12/24(土) 19:23:43 |URL|すぎやま #- [編集]
お楽しみにです。その前に宿題もいっぱいです(笑)。
2011/12/24(土) 20:17:25 |URL|わたわた #- [編集]

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わたわた(いしわたかおる)です。料理と野菜を育てることが大好きです。何気ない日常も全てこの地球の表現の1ページ。生命と進化の星、地球を表現すべく、日常の1つ1つに心を込めて「生きる」をやっていきます。

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