寄付文化

今日は熱海にて自農センターの職員会議でした。全員集まるのは数年ぶりのことだったでしょう。会議の議題は、公益法人法の改正(平成20年より施行)にともなって準備してきた新体制への移行についてでした。法律改正によって、これまでの財団法人というのは存在できなくなり、一般財団法人もしくは公益財団法人のどちらかに移行しなくてはならなくなります。自農センターは公益財団法人になることになりました。

もともとの財団法人改革の発端は、財団法人が官僚の天下り先であったり、そういう財団は政府からお金が来ていて、その流れが不明であったりすることから、財団法人は無駄というイメージができ、行政改革のやり玉に挙がったというものでしょう。多くは正しい指摘でしょうけれど、1つ1つを精査・公開し、個別に是正していけば良いものを「制度がいけない」に置き換えるのは政治の常套手段。とはいえ、改革の中身が全て意味のない政治パフォーマンスというわけでもなく、その中身にもちゃんと魂を入れれば実のあるコンセプトが含まれているところをみて、それを充実させる現実化の取り組みが必要と思います。

そんな意味のある財団法人改革のコンセプトの1つが、日本における寄付文化の定着。日本で普通に生活をしていたら寄付に触れる機会は少ない。ユニセフとは歳末助け合いとかは知っていても、募金のもとになる寄付という発想について深く考える機会はほとんどないと思います。会議でもこれからは寄付文化の醸成にも寄与していきたいという話が出たのだけれど、これまでも賛助会員制度はあって、賛助制度というのは寄付であるという説明がなされていました。

しかし、
「賛助会員になってもらうに当たって、何かメリットがないと勧めにくい」という意見がもっともらしく聞こえる現実があります。この考えは何かの情報や物品が得られることを寄付の動機付けにしようという発想であり、お金を出す人から見れば、お金を出す価値のあるもの・情報との交換ができるからお金を払うということになります。これを寄付と呼ぶのか?

寄付は価値あるものをより多くの人たちと共有したい、その活動を広げて欲しいというまだ見ぬ誰かへのプレゼントとして行うもの。人が人を信じること、世の中に善意を届けることが目的です。見返りを求めずにただ与えていくことで世の中が回っていく。そういう贈与経済を商品経済のなかに広げていくことは、お金とは何か?をひとりひとりが考える機会を増やすことにつながります。
お金に支配されるのではなく、お金をコントロールすることは人類が精神的に一段階高い文明に上がる試金石だなと思うのです。

出芽酵母はただ生きているだけなんだけど、自分の周りにアミノ酸やビタミンを多く分泌し、いつの間にか乳酸菌などの微生物が集まって微少な生態系がそこに構成されていく。それが培養液全体を発酵させる結果になって発酵食品ができるように、自然界は贈与経済で成り立っています。花と昆虫の共進化も、契約書を交わしていないし、例え昆虫が来なくても、花は咲くことを止めません。こう考えて行くと、自然農法という自然を手本にした農業というのは、現状の経済システムに乗っかる経済行為で及第ではなく(もちろん農業として成り立たなきゃ話にならないけど)、その農業をすること自体が自然を手本とする社会を育てるものになるのが必然であり、目的でもあるのだなと思います。資材や労力、コストがかからないからこそ社会のために出来ることを増やしていく。そういう流れに資するものが、具体的な技術体系や事例として提示されていくべきでしょう。わたわたのなかで湧いてきたものを書き留めてみたけど、寄付とは何かを深めることは、これからの自農センターの活動、社会的使命を深めて行くことに通じることだなと思いました。

会議では、意見を求められたときにとっさに湧いてきたので、「寄付について皆で深めましょう。勉強会の機会を作って下さい」と発言したのですが、こうして後で考えを深めてみると、外れてはいなかったかな。

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わたわた(いしわたかおる)です。料理と野菜を育てることが大好きです。何気ない日常も全てこの地球の表現の1ページ。生命と進化の星、地球を表現すべく、日常の1つ1つに心を込めて「生きる」をやっていきます。

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