ECによる肥培管理

今日は信州ぷ組土の会の例会でした。土の会は(有)上野原農園土壌環境科学研究所の池上先生にご指導いただいている土壌診断の勉強会。教科書はなく、毎月、農家仲間のみんなの出した土壌診断データをつかって現実のそれぞれの土にどう向き合うかを研鑽しています。

最近ホットなテーマは、土壌ECと無機態窒素、特に硝酸態窒素の関係です。従来から土壌ECを使った肥培管理(=窒素コントロール)というのは言われていて、通常はEC200から300くらいが作物の栽培に適した値とされてきていました。ECは土を溶かした水の上澄み液にどのくらい電気が通りやすいかを現したものなので、土壌中の塩類・イオンが多いほど高くなります。水に溶け出やすく、電気を良く通すイオンの代表が硝酸イオンであり、硝酸が多い土ではECが必ず高くなります。ECと硝酸イオン濃度を1つの畑で何回も測定するとこんなプロット●がたくさんできて、回帰直線を引くことができるわけです。

なのでECから硝酸量を推定して、ECを見ながら、窒素の施肥をコントロールすることができると言われているし、先駆的な農家では取り入れられている方法です。余分な肥料を入れることがないので環境にも良い。

しかし、施肥をしてもECが変化しにくくなり、常にECは100から200くらいで推移し、おなじEC値でも、その時の硝酸イオン濃度の実測値に随分幅が出る事例があることが分かってきたのです。硝酸が多いときにはECが高いことは間違いないけど、ECが低いから硝酸も低いわけでもないという現象。これはECで厳密な肥培管理が出来ないことを意味しています。大きくECが外れていたら確かに異常だけど、例えば150という値が窒素でどのくらいのかを確実に言えない状態。今までの概念では150ならそろそろ追肥したら?という話であったも、こうした土ではそう簡単に言えません。まぁ、大丈夫な範囲だね〜くらいなゆる管理で作っていけるということでしょう。

そして、こうした土は、緑肥を使った土づくりや有機肥料による施肥を何年か繰り返ししていると出来てくるように思われるのです。みえない窒素、みえない肥料があることが、見える数字を追いかけてきたからこそ、見えてきた。何だかややこしいですが、理屈ではなく、実例から見えてきたことです。

コメント

それが明確にあの場で認められたこと、それは次のステップへと進んだことですね。
本当に大きなことです。
2011/11/19(土) 21:58:37 |URL|どひ #qc7eTLeM [編集]
今までは施肥をしてもECが上がらないことを無機化が不十分と説明してきたのだけれど、実測した硝酸濃度が常に低くても十分な生育ができるとか、その方がかえって健全な生育になったという事例がはっきり見えてきたのですね。しかし上限200と設定してしまえば、ECが有用であることは揺るがないなと思いました。

2011/11/20(日) 09:37:12 |URL|わたわた #- [編集]

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