花屋のじいさん

自農センター研修生への講義では、「就農計画」という3回シリーズの講義があり、講師として長野県農業大学校講師の竹内洋夫先生にお願いして指導していただいています。今日は3回目の講義で、研修生6名のひとちひとりから就農のビジョンについて発表してもらいました。職員の何人かにも参加して聴いてもらいました。具体的な計画になっていないと評する職員もいて、その通りではあるけど、それは発表した本人が自覚したであろうし、それぞれの歩みだから、計画をいかに正確に立てるかよりも、見通す力をつけるトレーニングであり、計画を通してビジョンを言葉にすることやそれに臨む覚悟を自分のなかに据えていくことに本質があるのだろうなと思いました。

竹内先生による発表の講評や補足説明で、農水省が2年前からいくつかの有機農産物について、販売価格の統計をとって公開していることを紹介してくれました。野菜の多くの品目で、一般の150%程度の価格で売られているのが現実としてあるとのこと。こうした価格差があることが公表されるようになって、有機農業による営農計画も立てやすくなる方向にはあるが、一方でこうした高値で売れることを目標にして新たに有機農産物生産への参入も増えてくるだろうし、それは有機農産物を売るためにつくる、売れるからつくるっていう人が現れてくることであり、そうなっても価格が高く維持されるのか、消費者が求める有機農産物と言えるのかを良く考え、動向を見据えていくことが必要と話されていました。

そして、金子みすゞの「花屋のじいさん」に農産物が売れるってこと、消費者に選ばれることの本質があると思うといって紹介していただきました。

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花屋のじいさん
            金子みすゞ
花屋のじいさん
花売りに、
お花は町でみな売れた。

花屋のじいさん
さびしいな、
育てたお花がみな売れた。

花屋のじいさん
日がくれりゃ、
ぽっつり一人でこやのなか。

花屋のじいさん
ゆめにみる、
売ったお花のしあわせを。
     
   (金子みすゞ童謡集「明るいほうへ」JULA出版)

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この詩が作られたのは今から100年くらい前。
今でも小学校3年生くらいで習うそうです。
おじいさん、花が好きで好きで、調整のための小屋で花に囲まれていて幸せだったのでしょう。
全部売れて帰ってきて、小屋に入って、寂しいなって。
旅立っていった1つ1つの花への思いをはせているおじいさん。
そういうおじいさんのお花だからこそ売れる、買った人も幸せになるのでしょう。
作物を育てることやそれを売るってことは、物質的なことですが、本当に売り買いされているのは物じゃなく、物を通した思いや心なんだなって思いました。


わたわたも今年からNamiさんと一緒に野菜を出荷していますが、初めて野菜を収穫してきて、調整して出荷しに行ってきた帰り道、この詩のような気持ちになったのを覚えています。娘を嫁に出すような気持ちって例えられることもありますが、またうちには娘もいないのですが(笑)、野菜に幸せにな、達者でなって言いたい気持ちになりました。この気持ち、そして金子みずずの詩を覚えておきたいと思いました。
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わたわた(いしわたかおる)です。料理と野菜を育てることが大好きです。何気ない日常も全てこの地球の表現の1ページ。生命と進化の星、地球を表現すべく、日常の1つ1つに心を込めて「生きる」をやっていきます。

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